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ユキちゃんのPVを延々とようつべで見る午前中。かーわーいーいー!お人形さんとちゃうのかこの人??
ビスケットのPVが、かわゆ過ぎて鳥肌立ちますぞ。
あと、JOYがユキちゃんの髪型と服装も相まって、サニーちゃんwithQちゃんズにしか見えな…!ゲフン。

あとあと、映画館行けそうもないので女帝もここでチラ見しちゃって満足ということに。わああーちょう綺麗ーこーゆーのちょう好きー!
でもなんで中国映画のアクションっていつになってもこう、前時代的なんだろう?(笑)わざと?確信犯なん??
すごく真面目なシーンなのに、シュシュシューっと空中疾走とかされると思わずニヤニヤしちゃう(笑)
あ、あれか。中国の偉人さんはビックリ人間なのがデフォなのか?


そんなこんなでお話の続き。
うえーん…夜宴みたいな最強綺麗な宮殿を描写していきたいのに私にゃあ無理だなぁ…´`
なんだか戚ちゃんが「後宮小説」の銀河ちゃんみたくなってきた…´`


笑う姫君2

***





あの日のことは、いまだ鮮明に覚えています。
秋も段々更けて麻の着物にひもじさを感じる頃合いでした。

父のひっくり返ってしまった悲鳴を聞いて、私は家の中で織っていた布を放り出し外に飛び出したのです。そこには、きらびやかな鎧兵がぴしりと沢山整列していました。
その前に、ガタガタと震えて地に張り付くかのようにひざまづいた父を、藍色の朝服を着た文官が面を上げるようにと諭しておりましたっけ。
私の姿を見付けると、その初老の官は「ああ」と恭しげに吐息をもらし私の前に膝を折りました。
それに倣うようにして、兵も一糸乱れぬ動作で片膝を折ります。

一体なにが起こったのか。
私は情けない面持ちで麻の前掛けの端を指でいらいながら立ち尽くしてしまったのですよ。


「戚氏にございますね?」


こくこくと、父は壊れた案山子のように汗だくの顔で頷くのみ。
肯、ということが分かると藍色の文官は私に向き直りにっこりと微笑みました。


「戚氏のご息女、陛下のお召しです。お父上共々、我々と長安に参りましょう」

「へい…か?」


私は賎しい農民の娘です。『陛下』という尊称が一体どなたの事を指すのかさえ知らぬ、卑しい娘でした。


「高祖・劉邦様にあらせられます。あなた様を第二夫人として召したいと強く望まれていらっしゃるのです」


劉邦さま。
そのお名前を聞いてやっと、ああ、と今起こっている事態を私たち親子は理解することができたのです。




一年ほど前、わたくしら父子の住む小屋から少し離れた所にある彭城で戦がございました。
兵らの略奪がここまで及ばぬことを祈りながらひっそりと生活していたある夜、小屋の戸を叩く者があったのです。
その日は普段と幾分違い、小屋のある森の中を何度か軍馬も走り抜けてゆく、騒がしい日でした。戦に何か動きがあったのだと父は感じ取っていたらしく、さてはその手の者であろうと思い片手に畑に使う古びた鎌をしっかりと握りながらゆっくり戸を開けたのです。

外に立っていらしたのは立派な体躯とお顔をお持ちの将軍様でした。
きらきら光る兜鎧は所々土に汚れておりましたが、兜には孔雀の羽を挿し、翻す袍は真紅に染め抜かれた絹でした。


「すまぬが、何も言わずに一夜の宿を借してはくれまいか?」


その方はよく通る低い声でそうおっしゃり、頬を掻いて苦笑なさいました。その様子が、まるで遊び疲れて帰って来た少年が決まり悪く笑うようで…そう、私たちは抵抗もなくその方を受け入れてしまったのです。


その方こそ、劉邦さまでした。
彭城を楚の覇王・項羽さまに急襲され身一つで逃がれてきたのだそうでした。雲の上に住んでおられると思っていたようなお方が急に目の前に現れて、ふわふわと霞みの中にいるような不思議な心地でしたが、懸命にお世話いたしました。

劉邦さまは、大きなお体にとても整ったお顔をお持ちです。そして私たちが想像していた王侯貴族とは違い、よく笑いよくお話をなさいました。
震える手で酌をしておりました私にあの少年の笑顔で微笑み掛け、美しいとおっしゃっるのです。
あの時は嬉しいであるとか誇らしいなんて感情を凌駕して…劉邦さまはこの胸に水を注いで下さったかのようで。




揺れる車の中で私は初めてお会いした時のことをそう、振り返りました。
その翌朝、劉邦さまは単身で発ち、いずれ落ち着いた時には礼をしたいとおっしゃっていたけれどまさか本当にこのようなことになるなんて。
それも、お側に置いて頂けるとは夢にも思っておりませんでした。

一度城下に逗留したあと、絹の着物に袖を通し、きらきらの簪を結い上げた髪に挿してわたしは陛下の待つ宮殿へ向かう最中です。
父とともに何日と車に揺られて都へと参りました。
その道中、迎えにいらした方々の中に同行していた初老の美しい女官が基本的な礼儀作法を私に授けてくれました。厳しい方でしたが何も知らない私に根気強く教えてくれたのです。


「ほら、何度言えばお分かりになるのですか?ぽかんとお口を開けたままにしてはなりませんと」

「え、あ、ごめんなさい…」


長安の城壁を通り抜け、眼前に広がった城内の華やかさに呆けていた私をそう諌めます。思わずぺろ、と舌を差し出した私を見て、また。




本殿の前で車を降り、壮麗なお城を見て私はもう何度目かも分からぬ熱い吐息をつきました。


「こちらであなた様は陛下にお仕えなさるのですよ」


あなたは、と問えば彼女は恭しげに頭を下げ、ここから先は私などの立ち入れる場所にはございません、と言いました。


「こんな真摯に教えて下さったのに、出来の悪い娘でごめんなさい…
でもわたし、精一杯陛下にお仕えいたしますから…!」


背筋を伸ばし言う私を見て、彼女は初めて声を上げて笑いました。


「ふふ、頼もしいことです、安心致しました。
…本当の所、あの陛下にお仕えするのに礼などさほど必要ないのですけれどね」

「え…」


ほら、また。
そう言われて私ははっと口をつぐみました。


「わたくしがあなたに礼の様々を叩き込んだのは、わたくしのご主人様が『陛下が構わずとも一国の妃たる者が田舎娘であってはならぬ』とおっしゃったからですのよ」


ころころと笑う彼女につられて私も笑いました。おかげで、幾日も続いていた緊張が解け、視界が明るくなったようにも感じて。


「お礼なら、わたくしのご主人様に申して下さいな。こちらの御殿で陛下にお仕えしている御大臣様のお一人ですから」


いずれ中でお会いすることでしょう。この漢帝国立国の功臣、張良様にございます。彼女はそう誇らしげに主人の名を舌に乗せました。


「張良さま…」


この女性のご主人様。当たり前の事ですが、私を田舎娘と軽蔑しておられるさぞ厳格なお方なのでしょう。


「ああ、固くおなりにならないで」


ぽんと、初老の女官は私の両肩に手を置かれ、私の顔を覗き込みました。


「あなた様は利発で、本当に素敵なお方なんですからね。きっと陛下もご主人様もあなた様を気に入られます。
生まれながら高貴な人々の中にあっても、見劣りなど決して致しませんよ」


そして婉然と微笑んでくれました。
幼い頃、遠い昔に亡くした母が、いつの日だったかそんな笑みを向けてくれた事があった気がして私は涙ぐみました。

しかし、それを零すことを決して私は自分に許しません。陛下にご心配をお掛けするなどあってはならぬ、私はいつも笑みを浮かべていなければならないと教えられたばかり。


「そう、いつも笑みを絶やしてはなりませんよ、戚夫人。
その笑顔と愛らしいお心で陛下の心をお慰めになって下さいな」


大きな扉が開いて、他の女官が迎えに現れました。
では、と深々叩頭する彼女を内裏に導かれながらちらりと振り返り見ました。…おかあさま、と口の中で呟いて一拍の間瞳を閉じ、再び正面に向き直り瞼を開けました。

そこに広がるのは朱色と金。
煌く玉と、象牙の世界。



それ以来、彼女と再び会うことはついにありませんでした。





***

戚ちゃん入内。
とりあえず行くのは後宮じゃないのん?
とか、まあ…細かいトコは無知なので(←1番たち悪い)
…小説だから!をキーワードに(笑)

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歌は鬼束ちひろ、詩は谷川俊太郎、ゲームはロックマンシリーズをこよなく愛してます。
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