お久しぶりでーす。
学生最後の文化祭に向けて、熱烈準備中。
今まで部活の出し物と二足の草鞋を履いてて中途半端にしか顔出してなかったクラスの出し物の方に全力で取り組めてる今年。延々と暑苦しい親子のイラストを描き続けてるここ数日。暑苦しくも充実中(笑)
親子ってさ、つーか父息子ってさー女々しい位お互い仲良しなトコあったり、たまには殴り合いーのちゃぶ台ひっくり返しーのもあり、普段はお互い無関心装い~な関係がベストベスト。
延々と昭和の親子を描き続けてるうちにぼんやり妄想してた理想親子像。
そんなわけでさっさと英布さんには退場してもらって(哀)風雲急を告げたかっただらだら長文が、今回は親子ばっかし書くことになってしまったのでした(苦笑)
いーもん。また自分の中の張良像が固まった もん。
あ、話題のサンティさん(ん?シャンティさんだっけか?)の話題作「美しき傷」を購入~。
アレクサンドロスが主人公のスケールでかそうな恋愛小説っす。
親子愛情友情泥沼戦争etcの古代オリエントすったもんだ東方遠征とか…!わぁ~!読む前から楽しみすぎて動悸が…!
学生最後の文化祭に向けて、熱烈準備中。
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そんなわけでさっさと英布さんには退場してもらって(哀)風雲急を告げたかっただらだら長文が、今回は親子ばっかし書くことになってしまったのでした(苦笑)
いーもん。また自分の中の張良像が固まった もん。
あ、話題のサンティさん(ん?シャンティさんだっけか?)の話題作「美しき傷」を購入~。
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親子愛情友情泥沼戦争etcの古代オリエントすったもんだ東方遠征とか…!わぁ~!読む前から楽しみすぎて動悸が…!
笑う姫君 12
***
彼がこうやって凱旋なさるのを本当に久し振りに眺めるのだということを私は輿に乗る陛下の顔を見て初めて気付いた。
堂々の凱旋を果たしながらその横顔に安堵の表情を垣間見ることはできない。原因は彼が代の地での反乱鎮圧に当たっているとき既にして、次の乱は巻き起こっていたからだった。
英布―額に罪人の証である黥(入れ墨)を施されていたその容貌から彼を黥布(げいふ)と呼ぶ者もいる。
彼が乱を起こしたという報せに誰もがああ、と諦めにも似た嘆息で応えた。彼もまた、いつ件の粛清を受けてもおかしくはない立場の中にあったがこの一方的な風向きの中で自ら反するとは誰も思ってはいなかったのだが。燎原の火の勢いで今この長安に攻め寄せんと殺到している英布の軍に対抗すべく陛下は休む事なく反乱の鎮圧に向かわれるのであろうと、その時までは誰もが思っていた。
「討伐軍の大将軍に、劉盈皇子を?」
「憚らずそうおっしゃっておられますよ、あの陛下は」
久しぶりに会ったこの男は随分と不機嫌そうに言い捨てた。先程から何度も気にしてさすっている頬の矢傷―代の地で反乱者に付けられたのであろう―がどうせその原因だろうと推測しながら続ける。
「そんな、露骨過ぎる」
「でしょ?そこなんですよ」
今この帝国に英布に勝る武力を持つ英雄はいない。唯一勝るとも劣らない力を持っていた者達―韓信殿と彭越殿は既にこの世に存在しないからだ。
反乱を鎮圧するには少なくとも陛下自らが陣頭に立って兵士達を鼓舞しなくてはならない。
「実戦を殆ど指揮したことのない皇子に古参の将軍達を率いてあの英布殿を討てるわけないって私も諌めたんですけどね…」
「陛下がそれを呑むわけがない」
その通り、と陳平は卓に肩肘を付きこれみよがしの大きな溜め息を吐いた。
「陛下は皇子に負けさせて太子の資格を取り上げるのが目的なんですから」
「……」
遂に表立って、太子を劉盈皇子から如意皇子へと変えたいという思いを陛下は示し出していた。
呂釈之達の計らいによって在野の賢人達は劉盈皇子の元に客として参じていた。しかし彼等はただの文人でしかなく戦となっては何の役にも立たない。呂家の者はこの話を知るや助けを求めに私の元を訪れるだろうことは明らかだ。
「やれやれ、ですか?」
にィと狐のような笑みを浮かべる陳平に思いきり眉をしかめてやったが気にした風はない。
「…私は呂后側の人間にならざるをえませんが、あなたは?」
「私は呂后様、戚様っていうより陛下の手先でして…まぁ、ヘマをしない蝙蝠のつもりですよ」
「それはつまり…」
「ええ」
―僻疆のことはお任せ下さい、と笑う。
「……」
「ま、驚きはしましたけど…いーんじゃないですか?貴方の子らしくて」
「…僻疆は私とは違います」
立場も、生まれ出た時代も。今この世界であの女傑に逆らった者に逃げ場所なんて無いのに。愚かな事を、と思う。怒りと戸惑いが今も胸中で揺れている。
「そんな事言わないであげて下さいよ。彼ね、お父上に似ているよって言ってあげると喜ぶんですから」
「…そう、なんですか」
「ええ全く、羨ましい。
私なんか都に居る限りいっつも顔合わせてるのに慕ってくれるどころか白い目で見てくるくらいで―」
「それは…正しい判断です」
「…この親子は…」
本当に心外だといった顔を彼がするものだから、思わず声を上げて笑ってしまった。
あの子は、母の顔を知らない。彼を産んだ後に妻は急逝し、私は楚軍との戦の最中にあったため彼女の死に顔も生まれた子の顔も知らなかった。事が落ち着いて、初めて私が“僻疆”と名付けた赤子を見たときその子は既に乳母に支えられながらもよろよろと自分の足で歩けるほどに大きくなっていた。しかしそれでも、そこに妻の面影をしっかり認めることができたから私は赤子に手を伸ばすことができたのだ。
小さくしっとりとした手を取る。しかしそれからどうすればいいのか分からないまま固まってしまった私に乳母は
「ただ、抱いて差し上げればいいのですよ」
と随分寂しそうな笑みを点しながら言った。
両手でそっと包んだその熱はひどく不安定に揺れる、知りもしない妬けた生温い海を私に思い起こさせた。
「僻疆はですね、戚様の事私達が思ってた以上に慕ってたんじゃないかなーって思いますよ。あなたは何故何故と言いますけど、ただ戚様を守りたくて呂后を弑さんとしたと」
「彼女は僻疆にとって…」
「女性として…というより母としてのね」
私がこの世に留まっていられる内にこの赤子を一人で生きていけるだけの者にしなくてはならないと、それが私の責任だと思った。
私がこの子に与えられるのは智だけだと信じてただひたすらにそれを与え続けた。私もそうして生き延びてきたのだから。
「私は…あの子に熱を吹き込んであげなかった…」
らしくない随分と抽象的な表現に一瞬戸惑うが、いつも飄然としたこの男の内面を見たような気がして陳平少し嬉しく思った。
「何を指して嘆かれるのかは存じませんが、あの子に大きく欠けたものはないですよ。お預かりしてた私が言うんです」
何せ私は貴方に負けないくらいあの子を可愛がってきたつもりなのだ、と。汚い権力争いに巻き込んで、人質だからと幼子を不幸にするのを知っていながらに容認する気はなかった。
今更の慈善心と言うよりは今になってようやく、たった一人で貧困の中私を育て上げてくれた兄の気持ちが理解できるようになったよう思えたから、この子の後見になろうと目の前の男に名乗り出たのだ。
「あとは僻疆を殺させない為に、どうするかです」
急に策士の顔に変わった陳平に自分も頷いて思考を回転させる。
当面、呂后に逆らわずにいれば契約通り私達の安全は保証される。逆に劉盈様を廃して戚様と劉如意様を立ててしまうのも一つの手だった。
しかし、己達の保身の為だけに動くことは今の私達には許されない。何の後ろ盾もない皇太后と幼い新皇帝が即位したら出来たばかりのこの王国はどうなるか。
「…呂后に立ってもらわなくては困る」
「それしかないと思います…でもそれだと戚様達がですね、呂后の手に」
「まさか、あのお方も命まで取ろうなんてしないでしょうけど、辛い思いをなさる前に我々が率先して僻地の諸侯に収まるよう説けばいい。戚様なら分かって下さるでしょう?」
「…物分かりの良い方だったんですけどねぇ…最近、妙に頑固ですから、どうかな…」
「…?」
「張良殿はご存知ないでしょう?
呂后との確執が顕著になってからの戚夫人の陛下の篭絡ぶりときたら凄いんですから。何処へ行くにもご一緒で、陛下の戚様への依存ぶりときたらもう、怖いくらい…」
そこで語ることを止め、決まり悪そうに陳平は両手をぱたりと卓の上に置いた。
慣れぬ絹の着物を引きずっておどおどと視線をさ迷わせていた数年前の少女と、あの鐘堂の中で怯えた瞳をしていた美しい妃は私の目には何も変わらぬよう写ったのだが。
結局あの少女は権力の魔力に飲まれて妹嬉(ばっき)や妲姫(だっき)が如くの傾国の妖女に成り果てたのか。それとも、他の―
「…彼女を、お助けするつもりでしたのに」
「私はまだ影からでも支えて差しあげるつもりですからね、戚様のこと」
そう言う彼の目は真摯な光を湛えていた。私が全てを放り投げて庵の中で禅を組んでいたこの年月の間に、この男は少しばかり研の取れて丸くなったようだ。
良い事だ、と思えた。
「取り敢えずは陛下のお気持ちを変えなければ始まりません。呂家の者に言われずとも、私も出来る限り力を貸させて頂きます」
「有り難い、貴方の言葉なら陛下も聞いてくれるかもしれない…最近は私の言う事もあんまり聞いてくれないんですよ。それでいて人恋しくて仕方ないみたいですから、陛下」
「……」
私が彼を担いで、天下に覇を唱えてみせようと思ったのは何故だっただろうか。自分の望みを果たせるのはこの男の他にいないと思ったから。それに、この男の笑顔を見るのは悪い心地はしないと思ったからではなかったか。
「皮肉な、ことを」
何となく漏れたその呟きを陳平が聞き取っていたかどうかは知らない。ただ彼は私に一言も返しはしなかった。
小綺麗で主の趣味の良さを感じさせる回廊。
出口に向かう外廊下の脇に並んで植えられた木蓮は枝から零れそうな程に花を付けていた。これが、数日もすれば花弁は茶に染まり汚らしく散ってしまうのだと思うとやはり竹や常緑の庭木の方が好ましく感じられる。自分は、そんなつまらないたちの人間だ。
その木蓮の花弁が一つ、二つとぽたぽた散る先に白い袍に身を包んだ少年が私がやって来るのを待つようにじっと立っていた。
「僻疆」
声を掛ければゆっくりと拝手し頭を垂れる。私がゆくまでそのままでいたのが彼の薄い影を踏んで目の前に立つと同時、その面を上げた。
私と息子の間を一枚の木蓮がよぎる。その光景に強い既視感を覚えて記憶を辿れば、忘れえぬ情景が脳裏へ鮮やかに甦った。
もう何十年も前の事になってしまった、故国が秦に滅ぼされた冬の日。街路に落ちた木蓮の花弁は切り殺された都の人々の血を吸って汚い錆色をしている。私の生家の前庭にも木蓮が風に乗っては舞い込み、紫の宰相服を赤黒く染めた父の背にぽつぽつと白く散った。
早くここを出るのだ、と私の手を引く家人を振り切りその傍に跪く。既に病床にあり枯れ木のようになっていた身体からこれほどに血潮が流れ出るものなのかと、私は広がり続ける血溜まりに純粋に驚いた。
『…りょ、う…良…』
父が微かに聞き取れる声で私の名を呼ぶ。
私は為されよう最期の言葉を聞きたくなくて、父より先に口を開いてしまった。
『悪戯に生きて、張家の名をこれ以上地に貶めたくはございません。私も父上に殉じ、この韓の地で死にとうございます』
「これ以上、張家の名に泥を塗り重ねたくはございません。せめて死を以って孝の道に殉じたくございます」
記憶の中の私と僻疆がぴたりと重なった。自分の分身が目の前に現れて口をきいたのかと思うほどの事に、あの時私はこんな顔をしていたのだろうと感じる。生まれて初めて、自分の力だけではどうすることもできない凶悪な力がこの世界に存在するということを悟ったあの時。
父は、私に何と言ったのだったか。
何事か返してくれた言葉は小さく、聞き取れずにいたのを聞き返す前に遠い先門から後続の秦兵が屋敷になだれ込むのに気付いた家人に無理矢理抱えられ、死を待つ父を置いて私はその場から失せてしまった。
「お前は誰にも殺させはしません」
「父上の迷惑となってまで、私は生かして頂くつもりはございません!」
高く乾いた音がした。
私に張られてうっすらと赤く染まった頬に触れることもなく呆然と、僻疆は思い切り平手を振り抜いた私を見つめた。
殺せと言い放った僻疆の光る瞳に腹が立った。一人よがりの醜い衝動からなどではなく、僻疆と私のもっと深く繋がった部分で強い怒りを覚えた。
「…いいですか。お前は私であり、私はお前なのですよ」
血溜まりの中に沈んでいった父が何か言わんと動かした口と、今私の口唇は同じ動きをしているだろうと確信した。すぅと、私の中で凝り固まっていた何かが糸を抜くようにして解けてゆく。
この子に胸の内を有りのままに伝えるのも、平手で打って叱るのも、初めてのことじゃないだろうか。何が父親だ、と今更の深い後悔が胸のひだに入り込んでくる。一生癒されはすまい病がまた一つ増える―その病は多くの人が当たり前に患っているはずのものではないだろうか。
「…違います。私は、誰のお役にも立てぬどうしようもない人間です。父上とは、全然、違います」
暫く押し黙っていた口が沈黙を経て押し出したのは慟哭だった。
辛くて辛くて仕方がない、と。
「母上と日々を過ごすことが私には出来なかった。父上のお傍にいることも許されなかった。陳丞相に付き従って戦場でお役に立つことも許されなかった。戚様のお役に立つ事も、お守りすることも、叶わなかった…」
私はこの時初めて、この子の泣き顔に面と向かい合った。
「私の居場所なんて…いくら、探したって、どこにも無いんです!」
「違う!」
手を取り引き寄せ、両手で抱きしめた。
同時に、大きな泣き声を上げて私に縋り付く一回り小さな体と手をしっかり受け止めようとした。
幼い声で涕泣する震えるその背から伝わる熱は、初めてこの子を抱いた時に感じたあの揺れる妬けた海水の感覚と全く変わっていなかった。
「――」
もう一人にはさせませんから、と言いかけたその口を閉じた。
それでも、私がもうすぐ消えてしまうことは変えようのない定めであったから。
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白太
性別:
女性
職業:
文系学生
趣味:
お絵かき・雑多読書
自己紹介:
日々をいかにポジティブに生き抜くかを目標に、少しの事でネガティブ観点に陥る、ありがち日本人。
歌は鬼束ちひろ、詩は谷川俊太郎、ゲームはロックマンシリーズをこよなく愛してます。
歌は鬼束ちひろ、詩は谷川俊太郎、ゲームはロックマンシリーズをこよなく愛してます。
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