アンインストールとアクエリオン聞きながらお絵かきしてたらこんなのー。
思ったよりこの絵版機能…描ける…!(笑)
だが再生するのは勘弁して欲しいわー…自分描く過程がカオスだから。
お絵かき投下ってだけの記事でした^^
思ったよりこの絵版機能…描ける…!(笑)
だが再生するのは勘弁して欲しいわー…自分描く過程がカオスだから。
お絵かき投下ってだけの記事でした^^
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今日は念願だった猫sのミュージカルを見に行ったよ!
いやー素敵。すごくミュージカルらしいし、前向きな良いお話で。良いモノ見たわ~ロングランに納得がいきました。ぬこ達の第三の名前はカッコよすぎる!
あと感動はこそすれ、まさかこれほど如実に萌え的なものを感じるとは思わなくてちょっとそんな自分に落ち込んだ(苦笑)
マンカス/トラップとラム/タム/ダガーとスキンブル/シャンクスとミスト/フェリーズの私的4大イケメンぬこ達には正にぬっこぬこにされたよ^^^^
兄貴ネコに女たらしの風来坊ネコに車掌ネコにマジシャンネコとか…お、おいしすぎます!
ミスト/フェリーズやってた方はずば抜けてダンスお上手。バレエの人だったのかしらん?
モフモフ好きとしてはバストファー/ジョーンズもアスパラガスもオールド/ドゥトロノミーもやーばーいー!おじいちゃま達やーばーいー!
ガスおじいちゃんかわゆ過ぎておじいちゃんの唄にあたいは泣いたよ!
猫かわゆー…猫好きにはもっと堪らないだろうな。犬で作れない、か?無理だな見栄えが…(苦笑)
今度は部屋に立派な本棚来るんだ!
マンガではなく普通の書籍で埋めることが夢さ!(ド低脳)
いやー素敵。すごくミュージカルらしいし、前向きな良いお話で。良いモノ見たわ~ロングランに納得がいきました。ぬこ達の第三の名前はカッコよすぎる!
あと感動はこそすれ、まさかこれほど如実に萌え的なものを感じるとは思わなくてちょっとそんな自分に落ち込んだ(苦笑)
マンカス/トラップとラム/タム/ダガーとスキンブル/シャンクスとミスト/フェリーズの私的4大イケメンぬこ達には正にぬっこぬこにされたよ^^^^
兄貴ネコに女たらしの風来坊ネコに車掌ネコにマジシャンネコとか…お、おいしすぎます!
ミスト/フェリーズやってた方はずば抜けてダンスお上手。バレエの人だったのかしらん?
モフモフ好きとしてはバストファー/ジョーンズもアスパラガスもオールド/ドゥトロノミーもやーばーいー!おじいちゃま達やーばーいー!
ガスおじいちゃんかわゆ過ぎておじいちゃんの唄にあたいは泣いたよ!
猫かわゆー…猫好きにはもっと堪らないだろうな。犬で作れない、か?無理だな見栄えが…(苦笑)
今度は部屋に立派な本棚来るんだ!
マンガではなく普通の書籍で埋めることが夢さ!(ド低脳)
なんか私の神アニメが最近ニコニコでヨイショされてたんだが何故??まあいいけど、嬉しいから。
銀河ちょー可愛いよ銀河。あとチベット?モンゴル?っぽい綾波ガール。お付きの役人のおいちゃんも可愛かった…陛下はあの棒読みは異常だがあれももう魅力の一つだと信じてる。
あんな後宮なら私も是非お后サマ候補生になりたいわー…あ、あのオカマ先生もアホで可愛かった…ああ、原作読みたい…。
チベット問題で昨日はグーグルさん使えなかった…日本のマスコミのもう保守を通り越した対応に虫酸ダッシュ。みんなパソコン活用して世界の事は知るしかないな。んでも人権擁護法が通っちゃったらそれすら出来なくなるわけで…あうあーorz
頑張って移住しようかな…ああでもジャパンサブカルの無い世界なんて私には堪えられない(苦笑)
バイトで教えてる子達がニコ厨兼ライトな腐女子ですげー親近感(笑)そんなわけでバイト楽しィーですぞ(^ω^)
宿題の量にブーイングかます彼らに「逆に考えるんだ、『いっぱいやれば出来るようになるからいいや』って考えるんだ…!」とか連呼。これ使い勝手良すぎです、ジョージ1世。
最近私の中で空前の敷島博士ブームがキてます、キてます。本名が隆(たかし)らしいってちょっ待てそれ昔一時期お付き合いしてた人と同じ字ってなんてミラクル!(バーカ)
あと墓場鬼太郎のねー一代目金ヅル…ゲフン、一代目水木が凄く好きです。あれはなんて良い中年なんでしょうか。てか墓場鬼太郎自体が好き過ぎて気狂い。ビビビビビ!ねずみ男可愛いよ、ねずみ男(笑)
中年ゆーたらロクゼロはセルヴォが凄く好き。場外乱入ならされ竜のモルディーン枢機卿とかもドツボ。トリブラならWWW教授も大好きだし…
で、何が言いたいのかというと私の好きな中年像が固まってきたという話。
ゆるいオールバック=デコ+オプション眼鏡+穏やかな微笑み+だがよく観察してみると気狂い。
そんなオッサンが 大 好 き で す ^^^^
下の記事が痛いから無理矢理な語りでsageを狙ったわけだが、この記事も大分痛いことになってる残念showでした。
添付の写真。家の梅が咲きましたー。いい匂ーい!ふんがふんが。
銀河ちょー可愛いよ銀河。あとチベット?モンゴル?っぽい綾波ガール。お付きの役人のおいちゃんも可愛かった…陛下はあの棒読みは異常だがあれももう魅力の一つだと信じてる。
あんな後宮なら私も是非お后サマ候補生になりたいわー…あ、あのオカマ先生もアホで可愛かった…ああ、原作読みたい…。
チベット問題で昨日はグーグルさん使えなかった…日本のマスコミのもう保守を通り越した対応に虫酸ダッシュ。みんなパソコン活用して世界の事は知るしかないな。んでも人権擁護法が通っちゃったらそれすら出来なくなるわけで…あうあーorz
頑張って移住しようかな…ああでもジャパンサブカルの無い世界なんて私には堪えられない(苦笑)
バイトで教えてる子達がニコ厨兼ライトな腐女子ですげー親近感(笑)そんなわけでバイト楽しィーですぞ(^ω^)
宿題の量にブーイングかます彼らに「逆に考えるんだ、『いっぱいやれば出来るようになるからいいや』って考えるんだ…!」とか連呼。これ使い勝手良すぎです、ジョージ1世。
最近私の中で空前の敷島博士ブームがキてます、キてます。本名が隆(たかし)らしいってちょっ待てそれ昔一時期お付き合いしてた人と同じ字ってなんてミラクル!(バーカ)
あと墓場鬼太郎のねー一代目金ヅル…ゲフン、一代目水木が凄く好きです。あれはなんて良い中年なんでしょうか。てか墓場鬼太郎自体が好き過ぎて気狂い。ビビビビビ!ねずみ男可愛いよ、ねずみ男(笑)
中年ゆーたらロクゼロはセルヴォが凄く好き。場外乱入ならされ竜のモルディーン枢機卿とかもドツボ。トリブラならWWW教授も大好きだし…
で、何が言いたいのかというと私の好きな中年像が固まってきたという話。
ゆるいオールバック=デコ+オプション眼鏡+穏やかな微笑み+だがよく観察してみると気狂い。
そんなオッサンが 大 好 き で す ^^^^
下の記事が痛いから無理矢理な語りでsageを狙ったわけだが、この記事も大分痛いことになってる残念showでした。
添付の写真。家の梅が咲きましたー。いい匂ーい!ふんがふんが。
2話目!
最高に鬱アンド病的で自分が嫌いになった(^ω^)
オブラートに包んだつもりだけど病んでるのとスプラッタが苦手な人にはあんまりオススメできない自己満文。
***
星の下、小高い丘を歩いて越えた。夜風が私の前髪を撫でては流れてゆく。
前を歩く韓信様は時たま振り返っては私がちゃんとついて来ているかを確認してくれた。
「羌」
歩を進めるまま私の名を呼ばれた。遠くに人家の明かりが見えてきている。
「お前は奴婢ではあるまい」
背を向けたまま言われたその言葉に私は足を踏み出すのも忘れて立ち尽くした。
「私は奴婢の子です」
まだ咸陽で韓信様が項羽に仕えておられた頃、私の出自を尋ねられたのにそう答えた。
それを聞いた彼は私の作った粥を掬っていた匙を取り落として意外だと、お前の気品はどこからきたものなのだろうと珍しく声を弾ませていた。
「まあ俺も、奴婢と大して変わりないがな」と最後に自嘲気味の笑みを浮かべられ、それからは普段の無口な彼に戻ったのだけれど。
その夜だったか、彼が初めて私を抱いたのは。
「あの家の息子たちの妻の一人だったのだろう」
「どうして…」
背の足音が聞こえなくなったことを訝しんで韓信様は振り向き歩み寄りながら、私の問いに苦笑された。
「気品というものを俺に感じさせたのはお前が初めてだったよ」
「項羽を見限ってやった」と笑って、この人が私を伴って楚軍から抜け出したのは少し前のこと。これから彼がこの世に名を立てるには漢中に追われた劉邦とかいう人の元に向かう他ないという。そこまでの険しい道程に私がお供することは叶いそうになかった。
この優しく残酷なご主人様は私をただ置き去ろうとはなさらず、唯一の縁者がいる村まで私を送り届けてくれたのだった。
「あの村にお前の縁の者がいるというのは本当だな?」
私が無言で頷くと彼は懐ろから小さな袋を取り出して私に手渡した。中には琥珀に翡翠の飾りのはめ込まれた櫛に、数枚の金貨―
小さな屋敷一つ立てられそうな価値を持つ輝きに私は韓信様の顔を見上げたまま言葉をつげなくなってしまった。
「お前の主人は、お前を置いて都を出たのか?」
私はただかぶりを振った。
この人は最初から私が奴婢ではないと気付いていたのではあるまいか。だが、秦の国の徹底された背徳を忌む慣習を知っていて私の嘘に気付かぬふりをしていてくれたのではないか。
「…逃げたのは舅たちです」
「夫は?」
「徴兵され中原に行きました」
私は、笑ったのだろうか。彼が息を呑んだのが分かった。
「今は項羽に坑された屍のひとつです」
膝の力が抜け、泣き崩れた私の肩を彼は暫くの間その大きな手で包んでいてくれた。
「…元気で」
そう言って彼は私の額に小さな口付けを残し、離れた。
顔を上げた私の歪んだ視界に写ったのはもう彼の後ろ姿だけだった。
私は夫の死とその背徳に泣いたのだろうか。いいや、心の中を渦巻いているのは私の全く違った感情の激流。
初めて顔を会わせ、祝儀を上げたその翌朝遠くに旅立った男を女はそんな真摯に愛せるだろうか?
真に私にかすかながらも生きることへの希望を授けて下さったのは誰だろうか。
渡された袋を確かめるように握りしめた。
彼を追い、漢中に向かうには十分すぎる路銀だろうと。
―聲―
「外へ…?」
ほつれた鬢が隈で青くなった羌ちゃんの眼にかかっている。ぼんやりと私を見上げるその生気のない顔に堪えられなくて、私は白々しいまでの笑顔でうんうんと縦に頷いた。
「もう二日もお屋敷の中で…それに私の部屋日当たり悪いでしょ?身体に良くないわ」
「でも…」
「大丈夫!旦那さまは終日宮殿に出廷なされてるし、一応護衛になるのも見付けておいたの」
と、私の後ろに立つ男を指で示す。ちっと小さく舌打ちをした隆は頭をがりがりと掻いた。まあ年下の私に痛い所を掴まれた上で取引を強いられたわけだから仕方ない。お客様に差し出す上物のお酒をこの男が旦那さまに黙ってひそかに自分の部屋へと持ち込んでいるのを私が気付かないわけがないのに。
「…ちょっとした散歩だけだからな。役人にはぜってー見つからねーように」
「ね?…ほら、こうしてるだけじゃ羌ちゃんも辛いでしょ」
「…じゃあ」
こくんと小さく頷いた羌ちゃんに私もうん、と頷き返した。
羌ちゃんが私達の屋敷に来てから二日。始めの時よりも幾分か彼女は落ち着きをは取り戻していたけれども韓信さまの身を案じるあまりか憔悴しきったその表情は見ていられないほど。
旦那さまには羌ちゃんを決して外に出すなと言い付けられていました。でも、彼女の友である私がいま1番優先するべきなのは彼女の心を少しでも慰めてあげることだと私は決心していたのでした。
羌ちゃんの素顔を隠すことの出来る褐を探しに私は腰をあげた。
「…この向こう見ず」
普段は流せるこの男の声が珍しく私の痛い所を突いた。
「あ、あんたが気付いてくれればこんな事にはならなかったんじゃない…」
反論が尻窄りになって消えてしまったのは、自分に非があることを認めざるを得なかったから。
城下に足を伸ばしてみれば、普段と様子が違うことがすぐに感じ取れた。衛兵の数、酒嚢で大声で何事か論じあう人々。戦争の最中の都の雰囲気がそこには戻ってきていた。
―国を支え続けた大元帥に纂奪されかけた天下。
人込みを避けた城壁に程近い野原にでも、と思っていたのだが自分はなんて浅はかだったのだろう。潜伏している反乱者の逃走に備えてか、都の中心から離れれば離れるほどに衛兵の数は増していった。
結果、衛兵を避けてお屋敷に戻ろうとする私たちは都の真ん中を走る大通りを歩いていた。
「ゴメンね…羌ちゃん、もう少しでお屋敷に着くから…」
薄布を被って俯いている羌ちゃんに私は小さな声で謝罪した。
それに彼女はふるふると首を振って
「大丈夫よ、芙蓉ちゃん。確かに…外の空気を吸って、少し気が楽になったかも」
そわそわと落ち着かない様子で歩く隆の背中から私は視線を羌ちゃんに移した。そんなこと、こんな都の様子を羌ちゃんに見せてしまったのに。
「…嘘じゃないわよ?芙蓉ちゃん。
…私ね、ご主人様がもしかしたらいつの日か大殿様―陛下に背く気なのかもって、前から少しね、感じていたのかも」
「え…」
予想していなかった急な彼女の心情の吐露に私は返す言葉を見失ってしまう。
しかし確かに、俯き気味に城下の様子を伺う羌ちゃんの顔には屋敷の中にいた時よりも明るい色が注しているように見えた。
「そうゆう方なの、ご主人様って。人に仕えても多くの方と交わっても、最後は一人きり」
小さな声。それでも、自分の主人について語るその唇には小さな微笑みが乗っていた。
「芙蓉ちゃんのご主人様と、少し似ているわね」
顔を上げた羌ちゃんの瞳に妖しい光彩が舞ったように見えた。その小さな輝きは私の胸にちくりと灼きつく。
私の旦那さまも、一人?
「孤高の人。だから上の者には決して媚びたりなさらない。妥協されたりもなさらない。それはその人本位の魅力よ、だから人はそれに吸い寄せられる。隗通様も、あの曹参様もご主人様に魅せられた人間の一人だわ。
一人であって、決して一人にはならない人。
だから、ご主人様は生きてさえいて下さればいくらでもやり直せる。それに私はいつまでだってお仕えして―」
そう迷いなく言葉に乗せながら羌ちゃんは微笑みを浮かべた顔を上げかけて―表情を失くした。
呆けて彼女の顔ばかりを見つめていた私ははっとして前に向き直ろうとして、その次の瞬間急に立ち止まった隆の背中にぶつかった。鼻腔の奥のじんとした熱い痛みで私の視界が滲む。
「痛っ…ちょっと、どうし…」
つっ立っている隆の横から顔を出すと大通りの先に黒山の人だかりが出来ていた。
あの場所に何が置かれるのかは都に住む者なら誰だって知っている。あそこに人が集まる日には決して私はこの道を通らない。そして今日はその日ではないはずなのに。
特別な日?そして、普段よりもずっと多い野次馬共―
「き、羌ちゃ…」
震える唇で私が彼女に声を掛けかけたのと、彼女が走り出したのは同時。
私はよろける足でその背に追い縋り抱き着いた。
「羌ちゃん!ダメッ!行かないで!!」
「…離し、て!離して離して離して!!」
「っ!」
羌ちゃんは私を思い切り押し飛ばしてそのまま草の根を分けるようにして人込みの中に入っていった。
私は抱え起こしてくれた隆に言葉もかけずに再び彼女を追うけれど人の壁が邪魔してどうしても追い付けない。
「羌ちゃ…羌ちゃん!」
彼女の栗色の髪を探した。それを結わう髪飾りには小さくて綺麗な翡翠の欠片がついている。ご主人様が私に下さったのだと私に話してくれた時の羌ちゃんの桃色の頬と伏せた睫毛。
分かっていた。羌ちゃんが韓信様に寄せる思いは私が旦那さまに抱く思いとは違うのだということを。だから―
「っ見ちゃだめェ!」
無理矢理押し開いた人込みの先。立ち尽くす羌ちゃんの背中があった。
折よく拭いた風が彼女の顔を隠していた布を吹き飛ばす。それを追って私が目線を上げた先に写ったのは―
「韓…信さま…」
私は自分の震える声を他人のもののように遠くで聞いた。
高い台座の上に据えられたそれは―韓信さまは、韓信さまの首は眠るように瞳を閉じていた。
そのお顔はいつかにお会いしたときから変わらぬ整った鼻梁、切れ長の眼。でもそのお顔の所々には血の跡が、そして顔色は蝋のような青白さを湛えており、私は込み上げてくる吐き気とともにその瞬間、彼がこの世界からいなくなってしまったことを認めた。
「あ、あ…」
私は突き付けられた余りに酷い事実にその場にへたり込んだ。訝しげに私と羌ちゃんの事を見つめる周りの視線もさほど気にならなかった。
旦那さまはご存知だったのだろうか?韓信さまが既にこのような姿にされてしまっていたことを。
だとしたら。言い付けを守らなかった私は、羌ちゃんにこの世の何よりも残酷な仕打ちを与えてしまったことになる。
「貴様ら、何をやっている」
群集を掻き分けて衛兵達が私達のことを囲んだ。
威圧的に構える彼らをぼんやりと見上げるだけの私に中心と思われる男は不快げに眉を顰めた。
「さては韓家に縁の者か…引き立てよ!」
韓家、という言葉に違和感を覚えた私は衛兵達に無理矢理立ち上がらせられながら再び呪われた台座を見上げた。そこにあった首は韓信さまだけではなく、もう一つ。
このような姿となっても美しさを感じさせる女性―韓信さまの側室。確かお名前は、小娥さま。
衛兵たちが立ち尽くす羌ちゃんにも手を伸ばした。それを合図とするように、今まで微動だとしなかった彼女の体はびくりと震え、そして腕を掴む衛兵達の腕を強く振り払った。
「貴様…!」
「っ離して…!私っご主人様の元に参るんです!ご主人様をお助けしないと…!あんな所から早く下ろして差し上げないと!ああ…っ!」
「こいつやはり韓家の…おい、手を貸せ!」
獣のように暴れる彼女を男達は数人掛かりで押さえ付ける。それでも羌ちゃんは足を腕を、懸命に韓信さまに伸ばそうとする。怒声とも悲鳴とも分からぬ声を上げながら。
不意に、私は自分が羌ちゃんに重なってゆくのを感じた。私がもし羌ちゃんだったら、と。それだけで、胸は潰れて息も上手くつげなくなりそうだった。
「っもう、やめ…」
「何をしている」
知らぬ内に溢れ出した涙が私の頬を濡らしたのと、いつの間にか私の横に立った殿方が声を上げたのは同時でした。
「…貴様、軍師の所の…」
腰に太刀を佩かれた小柄なその人の声は、つい先日聞いたばかりのもの。
「曹参、さま…」
「…これを危惧していたのだ、俺は」
呆然と曹参さまのお顔を見上げる私と、未だ抵抗し続ける羌ちゃんとを見比べたその瞳は軽蔑と嫌悪の色を隠そうとはなさらなかった。
***
どこに向かっているんだこの話。
書きたい最後の流れまで持ってくのが大変そうだ…!
最高に鬱アンド病的で自分が嫌いになった(^ω^)
オブラートに包んだつもりだけど病んでるのとスプラッタが苦手な人にはあんまりオススメできない自己満文。
***
星の下、小高い丘を歩いて越えた。夜風が私の前髪を撫でては流れてゆく。
前を歩く韓信様は時たま振り返っては私がちゃんとついて来ているかを確認してくれた。
「羌」
歩を進めるまま私の名を呼ばれた。遠くに人家の明かりが見えてきている。
「お前は奴婢ではあるまい」
背を向けたまま言われたその言葉に私は足を踏み出すのも忘れて立ち尽くした。
「私は奴婢の子です」
まだ咸陽で韓信様が項羽に仕えておられた頃、私の出自を尋ねられたのにそう答えた。
それを聞いた彼は私の作った粥を掬っていた匙を取り落として意外だと、お前の気品はどこからきたものなのだろうと珍しく声を弾ませていた。
「まあ俺も、奴婢と大して変わりないがな」と最後に自嘲気味の笑みを浮かべられ、それからは普段の無口な彼に戻ったのだけれど。
その夜だったか、彼が初めて私を抱いたのは。
「あの家の息子たちの妻の一人だったのだろう」
「どうして…」
背の足音が聞こえなくなったことを訝しんで韓信様は振り向き歩み寄りながら、私の問いに苦笑された。
「気品というものを俺に感じさせたのはお前が初めてだったよ」
「項羽を見限ってやった」と笑って、この人が私を伴って楚軍から抜け出したのは少し前のこと。これから彼がこの世に名を立てるには漢中に追われた劉邦とかいう人の元に向かう他ないという。そこまでの険しい道程に私がお供することは叶いそうになかった。
この優しく残酷なご主人様は私をただ置き去ろうとはなさらず、唯一の縁者がいる村まで私を送り届けてくれたのだった。
「あの村にお前の縁の者がいるというのは本当だな?」
私が無言で頷くと彼は懐ろから小さな袋を取り出して私に手渡した。中には琥珀に翡翠の飾りのはめ込まれた櫛に、数枚の金貨―
小さな屋敷一つ立てられそうな価値を持つ輝きに私は韓信様の顔を見上げたまま言葉をつげなくなってしまった。
「お前の主人は、お前を置いて都を出たのか?」
私はただかぶりを振った。
この人は最初から私が奴婢ではないと気付いていたのではあるまいか。だが、秦の国の徹底された背徳を忌む慣習を知っていて私の嘘に気付かぬふりをしていてくれたのではないか。
「…逃げたのは舅たちです」
「夫は?」
「徴兵され中原に行きました」
私は、笑ったのだろうか。彼が息を呑んだのが分かった。
「今は項羽に坑された屍のひとつです」
膝の力が抜け、泣き崩れた私の肩を彼は暫くの間その大きな手で包んでいてくれた。
「…元気で」
そう言って彼は私の額に小さな口付けを残し、離れた。
顔を上げた私の歪んだ視界に写ったのはもう彼の後ろ姿だけだった。
私は夫の死とその背徳に泣いたのだろうか。いいや、心の中を渦巻いているのは私の全く違った感情の激流。
初めて顔を会わせ、祝儀を上げたその翌朝遠くに旅立った男を女はそんな真摯に愛せるだろうか?
真に私にかすかながらも生きることへの希望を授けて下さったのは誰だろうか。
渡された袋を確かめるように握りしめた。
彼を追い、漢中に向かうには十分すぎる路銀だろうと。
―聲―
「外へ…?」
ほつれた鬢が隈で青くなった羌ちゃんの眼にかかっている。ぼんやりと私を見上げるその生気のない顔に堪えられなくて、私は白々しいまでの笑顔でうんうんと縦に頷いた。
「もう二日もお屋敷の中で…それに私の部屋日当たり悪いでしょ?身体に良くないわ」
「でも…」
「大丈夫!旦那さまは終日宮殿に出廷なされてるし、一応護衛になるのも見付けておいたの」
と、私の後ろに立つ男を指で示す。ちっと小さく舌打ちをした隆は頭をがりがりと掻いた。まあ年下の私に痛い所を掴まれた上で取引を強いられたわけだから仕方ない。お客様に差し出す上物のお酒をこの男が旦那さまに黙ってひそかに自分の部屋へと持ち込んでいるのを私が気付かないわけがないのに。
「…ちょっとした散歩だけだからな。役人にはぜってー見つからねーように」
「ね?…ほら、こうしてるだけじゃ羌ちゃんも辛いでしょ」
「…じゃあ」
こくんと小さく頷いた羌ちゃんに私もうん、と頷き返した。
羌ちゃんが私達の屋敷に来てから二日。始めの時よりも幾分か彼女は落ち着きをは取り戻していたけれども韓信さまの身を案じるあまりか憔悴しきったその表情は見ていられないほど。
旦那さまには羌ちゃんを決して外に出すなと言い付けられていました。でも、彼女の友である私がいま1番優先するべきなのは彼女の心を少しでも慰めてあげることだと私は決心していたのでした。
羌ちゃんの素顔を隠すことの出来る褐を探しに私は腰をあげた。
「…この向こう見ず」
普段は流せるこの男の声が珍しく私の痛い所を突いた。
「あ、あんたが気付いてくれればこんな事にはならなかったんじゃない…」
反論が尻窄りになって消えてしまったのは、自分に非があることを認めざるを得なかったから。
城下に足を伸ばしてみれば、普段と様子が違うことがすぐに感じ取れた。衛兵の数、酒嚢で大声で何事か論じあう人々。戦争の最中の都の雰囲気がそこには戻ってきていた。
―国を支え続けた大元帥に纂奪されかけた天下。
人込みを避けた城壁に程近い野原にでも、と思っていたのだが自分はなんて浅はかだったのだろう。潜伏している反乱者の逃走に備えてか、都の中心から離れれば離れるほどに衛兵の数は増していった。
結果、衛兵を避けてお屋敷に戻ろうとする私たちは都の真ん中を走る大通りを歩いていた。
「ゴメンね…羌ちゃん、もう少しでお屋敷に着くから…」
薄布を被って俯いている羌ちゃんに私は小さな声で謝罪した。
それに彼女はふるふると首を振って
「大丈夫よ、芙蓉ちゃん。確かに…外の空気を吸って、少し気が楽になったかも」
そわそわと落ち着かない様子で歩く隆の背中から私は視線を羌ちゃんに移した。そんなこと、こんな都の様子を羌ちゃんに見せてしまったのに。
「…嘘じゃないわよ?芙蓉ちゃん。
…私ね、ご主人様がもしかしたらいつの日か大殿様―陛下に背く気なのかもって、前から少しね、感じていたのかも」
「え…」
予想していなかった急な彼女の心情の吐露に私は返す言葉を見失ってしまう。
しかし確かに、俯き気味に城下の様子を伺う羌ちゃんの顔には屋敷の中にいた時よりも明るい色が注しているように見えた。
「そうゆう方なの、ご主人様って。人に仕えても多くの方と交わっても、最後は一人きり」
小さな声。それでも、自分の主人について語るその唇には小さな微笑みが乗っていた。
「芙蓉ちゃんのご主人様と、少し似ているわね」
顔を上げた羌ちゃんの瞳に妖しい光彩が舞ったように見えた。その小さな輝きは私の胸にちくりと灼きつく。
私の旦那さまも、一人?
「孤高の人。だから上の者には決して媚びたりなさらない。妥協されたりもなさらない。それはその人本位の魅力よ、だから人はそれに吸い寄せられる。隗通様も、あの曹参様もご主人様に魅せられた人間の一人だわ。
一人であって、決して一人にはならない人。
だから、ご主人様は生きてさえいて下さればいくらでもやり直せる。それに私はいつまでだってお仕えして―」
そう迷いなく言葉に乗せながら羌ちゃんは微笑みを浮かべた顔を上げかけて―表情を失くした。
呆けて彼女の顔ばかりを見つめていた私ははっとして前に向き直ろうとして、その次の瞬間急に立ち止まった隆の背中にぶつかった。鼻腔の奥のじんとした熱い痛みで私の視界が滲む。
「痛っ…ちょっと、どうし…」
つっ立っている隆の横から顔を出すと大通りの先に黒山の人だかりが出来ていた。
あの場所に何が置かれるのかは都に住む者なら誰だって知っている。あそこに人が集まる日には決して私はこの道を通らない。そして今日はその日ではないはずなのに。
特別な日?そして、普段よりもずっと多い野次馬共―
「き、羌ちゃ…」
震える唇で私が彼女に声を掛けかけたのと、彼女が走り出したのは同時。
私はよろける足でその背に追い縋り抱き着いた。
「羌ちゃん!ダメッ!行かないで!!」
「…離し、て!離して離して離して!!」
「っ!」
羌ちゃんは私を思い切り押し飛ばしてそのまま草の根を分けるようにして人込みの中に入っていった。
私は抱え起こしてくれた隆に言葉もかけずに再び彼女を追うけれど人の壁が邪魔してどうしても追い付けない。
「羌ちゃ…羌ちゃん!」
彼女の栗色の髪を探した。それを結わう髪飾りには小さくて綺麗な翡翠の欠片がついている。ご主人様が私に下さったのだと私に話してくれた時の羌ちゃんの桃色の頬と伏せた睫毛。
分かっていた。羌ちゃんが韓信様に寄せる思いは私が旦那さまに抱く思いとは違うのだということを。だから―
「っ見ちゃだめェ!」
無理矢理押し開いた人込みの先。立ち尽くす羌ちゃんの背中があった。
折よく拭いた風が彼女の顔を隠していた布を吹き飛ばす。それを追って私が目線を上げた先に写ったのは―
「韓…信さま…」
私は自分の震える声を他人のもののように遠くで聞いた。
高い台座の上に据えられたそれは―韓信さまは、韓信さまの首は眠るように瞳を閉じていた。
そのお顔はいつかにお会いしたときから変わらぬ整った鼻梁、切れ長の眼。でもそのお顔の所々には血の跡が、そして顔色は蝋のような青白さを湛えており、私は込み上げてくる吐き気とともにその瞬間、彼がこの世界からいなくなってしまったことを認めた。
「あ、あ…」
私は突き付けられた余りに酷い事実にその場にへたり込んだ。訝しげに私と羌ちゃんの事を見つめる周りの視線もさほど気にならなかった。
旦那さまはご存知だったのだろうか?韓信さまが既にこのような姿にされてしまっていたことを。
だとしたら。言い付けを守らなかった私は、羌ちゃんにこの世の何よりも残酷な仕打ちを与えてしまったことになる。
「貴様ら、何をやっている」
群集を掻き分けて衛兵達が私達のことを囲んだ。
威圧的に構える彼らをぼんやりと見上げるだけの私に中心と思われる男は不快げに眉を顰めた。
「さては韓家に縁の者か…引き立てよ!」
韓家、という言葉に違和感を覚えた私は衛兵達に無理矢理立ち上がらせられながら再び呪われた台座を見上げた。そこにあった首は韓信さまだけではなく、もう一つ。
このような姿となっても美しさを感じさせる女性―韓信さまの側室。確かお名前は、小娥さま。
衛兵たちが立ち尽くす羌ちゃんにも手を伸ばした。それを合図とするように、今まで微動だとしなかった彼女の体はびくりと震え、そして腕を掴む衛兵達の腕を強く振り払った。
「貴様…!」
「っ離して…!私っご主人様の元に参るんです!ご主人様をお助けしないと…!あんな所から早く下ろして差し上げないと!ああ…っ!」
「こいつやはり韓家の…おい、手を貸せ!」
獣のように暴れる彼女を男達は数人掛かりで押さえ付ける。それでも羌ちゃんは足を腕を、懸命に韓信さまに伸ばそうとする。怒声とも悲鳴とも分からぬ声を上げながら。
不意に、私は自分が羌ちゃんに重なってゆくのを感じた。私がもし羌ちゃんだったら、と。それだけで、胸は潰れて息も上手くつげなくなりそうだった。
「っもう、やめ…」
「何をしている」
知らぬ内に溢れ出した涙が私の頬を濡らしたのと、いつの間にか私の横に立った殿方が声を上げたのは同時でした。
「…貴様、軍師の所の…」
腰に太刀を佩かれた小柄なその人の声は、つい先日聞いたばかりのもの。
「曹参、さま…」
「…これを危惧していたのだ、俺は」
呆然と曹参さまのお顔を見上げる私と、未だ抵抗し続ける羌ちゃんとを見比べたその瞳は軽蔑と嫌悪の色を隠そうとはなさらなかった。
***
どこに向かっているんだこの話。
書きたい最後の流れまで持ってくのが大変そうだ…!
オンリーのおかげで横光作品に対する熱はアホみたいに一昨日から高まっていたのですが(昨日はバビルⅡ世1から読み直してたんだ…)こちらのMAD見て今川鉄人熱がフルスロットルです。こんなブログに載せちゃって良かったかしら?大丈夫かな??みんなこちらのMADを見たら良い。そうしたらもう本編見るしかないから(笑)
映画残月のDVDは5月位か…買っちゃおうかしら…ウズウズ。
GRもめちゃくちゃ大好きなんですけど、暗い人間群像とか大好物な私にとって今川鉄人は神アニメすぎます…!><
暗い~とゆうたらいつぞやに上げた楚漢の微妙な妄想文の続きがそろそろまた溜まってきたのでうpできそうです。
え、その前に改装…?
…私、もうビルダーのいじり方忘れてしまったよ…(ノA`)
進まない進まない(苦笑)
遊ぶ→バイト→寝るの永久サイクルにはまってる幸せ3月。4月からの+キャンパスライフとなっても果たして私の身体はついてゆくのか?といったところが昨今の悩み(笑)
あしたは親戚の小母さんと母とイタ飯屋さんなのだ^^^^
大学が第一志望に受かっていたら英国小旅行に連れて行ってもらうはずだったのが県内のイタ飯屋さんに化けた訳(苦笑)
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オブラートに包まぬ、日々と趣味とつれづれ。
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HN:
白太
性別:
女性
職業:
文系学生
趣味:
お絵かき・雑多読書
自己紹介:
日々をいかにポジティブに生き抜くかを目標に、少しの事でネガティブ観点に陥る、ありがち日本人。
歌は鬼束ちひろ、詩は谷川俊太郎、ゲームはロックマンシリーズをこよなく愛してます。
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